気温が上がる夏場は、人間だけでなく猫にとっても辛い環境です。そんな夏場に大切な愛猫を守るために、猫の熱中症について正しく理解をしておきましょう。
この記事では、人とは違う猫の熱中症サインやすぐにできる対策を解説しています。猫の熱中症はあっという間に命を奪う怖いものです。快適で安全に夏を乗り切るために、ぜひお役立てください。
もくじ
(effective stock photos/shutterstock)
人の熱中症に多い症状は次のとおりです。
また、体温の上昇に伴って皮膚が赤く変化する様子も見て取れるため、周囲の人が異常に気づきやすいのも特徴です。
<人の熱中症についてもっと詳しく知りたい方>
熱中症ってどんな症状?かかりやすい人と対策方法(外部サイト)
しかし、猫の熱中症の場合はこういった症状が、初期の段階ではほとんど現れません。
猫は体調不良を隠すのも上手いため、人と同じような症状が出た時はすでに重篤な状態の可能性もあります。猫の熱中症サインを見落とさないようにしましょう。
室内の温度が30度を超えると、猫が熱中症になる可能性が高くなり、高齢や長毛の猫は30度以下の場合でも熱中症になる可能性があります。
暑いな、と感じた日は以下のような症状が出ていないかよく注意してください。
猫が熱中症になりかけ、または初期の状態では、次のような症状が見られます。
「ただ暑がっているだけ」と思いがちな症状が多いですが、軽視するのは危険です。体の小さい猫はあっという間に熱中症が重症化する恐れがあります。
次のような症状が出た場合は、熱中症になっていると考えられます。すぐに対処をしないと危険です。
体温は体に触れて感じるよりもずっと高温になっている可能性があります。必ず肛門から検温して正確な体温を計ってください。
次のような症状が見られる場合は、命に関わる重度の熱中症になっている可能性が高いです。
けいれんをしている場合はもちろん、呼びかけに反応しないような場合は大至急動物病院に連れて行きましょう。
(Daria Kulkova/shutterstock)
猫は人よりも体温調節が苦手です。飼い主がしっかりと暑さ対策をしてあげましょう。お家の中で簡単にできる効果的な熱中症対策を5つご紹介します。
簡単で効果的な方法は、部屋をエアコンで27度前後に調節する方法です。リスクの高まる温度を下回る水準でキープすれば、ぐっと熱中症の危険度は下がります。
外気温が30度を超えそうな日は積極的にエアコンを活用しましょう。
熱中症予防は水分補給も効果的です。新鮮な水をいつでも飲めるように、必ず複数の水飲み場を用意しておきましょう。
神経質な猫は、知らない器やいつもと違う場所の水を飲みません。暑くなってきたら早めに水飲み場を増やしておくと安心です。
普段から水をあまり飲まない猫もいます。その場合は、強制的に飲ますのも難しいので、ごはんの水分量を増やして少しでも水分補給をさせましょう。
扇風機やサーキュレーターは人が使うと涼しいと感じますが、毛に覆われている猫に対してはあまり効果がありません。空気の循環を作る装置として、エアコンと併用をするようにしましょう。
ただし、ケージの中にいる猫の場合は、エアコンや扇風機の風が直接当たらないように注意してください。ずっと風が当たりすぎてしまうと、体が冷えすぎて体調を崩してしまいます。
留守中に、停電やエアコンの故障が発生したときのことも考えなくてはいけません。
外気温が30度を超える日の場合は、あっという間に室内の温度が上がって熱中症の危険性が高まります。電気を使わないひんやりグッズや、風通りのよい場所を用意しておきましょう。
長毛種の猫は冬毛がいつまでも残ってしまい、それが原因で体温が上がりやすくなります。できるだけブラッシングで抜け毛を除去しておきましょう。
長毛種の暑さ対策としてサマーカットにする人もいます。確かに暑さは軽減できますが、皮膚へのダメージやストレスがかかるデメリットもあります。ブラッシングだけでも熱は逃しやすくなるので、猫の負担をよく考え、慎重に決めるとよいでしょう。
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どんな猫にも熱中症の危険はあります。その中でもとくに気を付けたいのは短頭種と長毛種です。
ペルシャやヒマラヤン、ブリティッシュショートヘアなどの鼻が短い猫の種類を「短頭種」といいます。「鼻ぺちゃ猫」という愛らしいネーミングもありますね。短頭種の猫は、呼吸による体温調節が苦手なため、熱中症になってしまうリスクが高いです。
メインクーンやラグドール、ペルシャなどの長毛種は熱がこもることが原因で熱中症になります。ブラッシングをしていれば熱を逃しやすくなりますが、それでも短毛種よりも熱がこもりやすいので注意してあげましょう。
短頭で長毛のペルシャやヒマラヤンは特に注意が必要です。もちろん日本猫やミックス猫でも短頭・長毛の特徴がある場合は同じリスクがあります。
短頭種や長毛種でなくても、次の条件に当てはまる猫は、より入念に熱中症対策を行う必要があります。
子猫や高齢の猫は体温調節が上手にできません。飼い主さんが管理をして冷やしてあげましょう。
肥満の猫や持病がある猫は暑さによって弱りやすいです。内臓に負担がかかって急激に病状が悪化する可能性もありますので注意してあげましょう。
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猫に熱中症の症状が出ていたら、すぐに体を冷やして急いで動物病院に連れて行きましょう。移動中も応急処置をしておくことが重要です。すぐにできる熱中症の応急処置をご紹介します。
保冷剤や氷を入れた袋をタオルに包んで、人間と同様に首と脇を冷やしてください。太い血管を冷やすことで、循環する血液の温度も下がります。夏場は万が一に備えて、小さめの保冷剤を準備しておくと安心です。
(awindrunner/shutterstock)
濡れタオルで全身を包んで冷やす、風を送ってこもった熱気を逃すことも効果的です。水が平気なら霧吹きで濡らしてあげてもよいでしょう。
意識がはっきりとしている場合は水を飲ませてください。飲まない場合は布に水を含ませて、口元で絞って水滴を与えると飲み始めることがあります。
水滴を与えても舌や喉が動かないときは、無理に飲ませてはいけません。意識がなく、窒息してしまう可能性があります。
暑い夏場は、人だけでなく猫にとっても熱中症の危険が高まります。こちらでご紹介した熱中症対策を行うことはもちろんですが、万が一に備えてペット用の保険にも加入しておくと安心です。
まだペット保険に加入していないという方は、ぜひペット保険をご検討ください。
猫だけでなく、人も夏場は熱中症に注意が必要です。人も十分に対策をしておくことが大前提ですが、どうしても意図せず病気にかかってしまうこともあるでしょう。
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