マンチカンとはその個性的なルックスと愛嬌でとても人気のある猫です。人懐こい性格も相まって、猫を飼うのが初めての人にもおすすめできます。ですが、もちろん飼うための準備と心構えはちゃんとしておきましょう。 今回はそんなマンチカンのことをお話します。
もくじ
(SV_zt/shutterstock)
マンチカンという名前は、“子ども”、“小さい”、“短い”という意味がある言葉「マンチキン」に由来していると言われています。非常に短い四肢を持つのが特徴で、猫界のダックスフントとも言われています。
マンチカンは、もともとは人の手によって掛け合わされた種類ではなく、突然変異的に長足の猫に混じって短い足を持つ個体として自然発生した猫種です。
そういった遺伝的背景を考慮して、当初は不健康ではないか?と様々な論争がありましたが、長足に混じって短足の猫が世界中で発見されることなども踏まえ、特に他の健康な猫と比較して病気のリスクが高いわけではないとされました。今日では、新しい一つの品種として認められています。
(MDavidova/shutterstock)
マンチカンの特徴と言えば、なんといっても短い足。よちよちと歩く姿の愛らしさは、他の猫にはない魅力ですね。
しかし、幼く見えても、足の筋肉はしっかり発達していますので、ジャンプ力は他の猫種に引けを取りません。小柄な分、小回りが利くのでスピーディに動き回る子もいます。
またマンチカンの中には他の猫種くらい足が長い「長足タイプ」や中くらいの「中足タイプ」もいます。実は短足同士の掛け合わせは死産する可能性が高いと言われ、長足との交配が基本になっているので、短足のマンチカンは全体の2割程度と言われています。
マンチカンは色、毛質、毛の長さ、足の長さも様々な種類があります。言い換えれば、「短足」を軸として様々な見た目のマンチカンが存在し、同じ見た目のマンチカンはひとつとしていないとも言われています。
被毛の色は白、黒、茶色、クリームといった単色も存在すれば、複数の色が混じったなんとも表現できない美しい色の被毛を持つマンチカンもたくさん存在します。
被毛の長さも長毛のマンチカンも存在すれば、非常に短い短毛種もいます。特に規定もなく、見た目で長毛種、短毛種と分けられています。瞳の色もバリエーション豊かです。
マンチカンの平均体重はオスが3~5kg、メスが2~4kとメスのほうがやや小柄。大型のペルシャやメインクーンの半分くらいの体重になります。猫全体の中では小型サイズですが、骨格は頑丈で筋肉質な体をしています。
子猫は生後2~3ヵ月で1kgを超え、生後半年で2kg前後となります。1歳になったら成猫ですので、その体重がその猫の理想体重と考えましょう。
(MDavidova/shutterstock)
マンチカンは比較的穏やかで人懐っこく、好奇心旺盛の子が多め。成猫になってもおもちゃで遊ぶのが大好きで、他の猫にも興味を持ちやすい傾向です。しかし、嫌なことは嫌!と表現する子も多いです。
人にもよく懐き、初めて会った人にも友好的。飼い主さんにはとっても甘えん坊で、同居している他の家族や動物とも上手に接することができます。
ただし性格は遺伝によるところも非常に大きいので、親猫や兄弟猫のがわかる場合は、性格を聞いてみると良いでしょう。
(SV_zt/shutterstock)
賢く人懐っこいマンチカンは、飼育しやすい猫種と言われています。
小柄ながら活動的で元気な猫ですので、遊ぶためのスペースやおもちゃはたっぷり用意してあげましょう。甘えん坊ですので、一緒に遊んだりしてコミュニケーションをしっかり取ることをおすすめします。
また足が短いため、体重が増えすぎてしまうと足への負担が大きくなります。太りやすいとも言われていますので、食生活と体重管理はしっかり行ってください。
ブラッシングや歯磨きなどのケアは、一般的な猫へのケアと同様で問題ありません。ただし長毛タイプの場合は、ブラッシングを1日1回ではなく2回にするなど、念入りにしたほうが良いでしょう。
(SV_zt/shutterstock)
マンチカンの平均寿命は11.2歳というデータがあります。猫全体の平均寿命は14~15歳なので、比較すると短めと言えるでしょう。
ただし個体差が大きく、15歳でも元気に暮らしているマンチカンもいるため、一概には言えません。
日常的に体調の変化に気を配ったり、定期的に健康診断を受けたりして、愛猫が出来るだけ長く健やかに暮らせるよう、心掛けたいですね。
(SV_zt/shutterstock)
本来マンチカンは、突然変異的に長足の猫に混じって短い足を持つ個体として自然発生した猫種なので、特有の病気というものは存在しません
しかし、人気の猫種となり、人の手によって交配されることによりいくつかのことがわかってきました。
例えば、短足のマンチカンと短足のマンチカンで交配すると死産になる確率が高いということ。つまりは、本来遺伝子の突然変異によって起きたものであり、その遺伝子同士の交配は生物学的に受け入れられないと推測されます。
なので、マンチカンの交配は、基本的に短足マンチカン同士の交配は推奨されていません。
耳が垂れているスコティッシュフォールドやアメリカンカールとマンチカンを掛け合わせ、「耳垂れマンチカン」や「耳折れマンチカン」として販売している業者もいます。
しかし耳が垂れる遺伝子は奇形遺伝子であり、一部の個体では若いうちから重篤な関節炎を引き起こすことが知られています。
しかし日本では人気猫種のミックスも人気が出やすいために、そういった遺伝的背景を考慮せずに交配を行った結果、本来であれば防げる病気で苦しむ子たちが増えているのが現状です。
マンチカンは、見た目や性格にある程度の傾向はありますが、5匹兄弟がいれば5匹性格も見た目も違うもの。
大切なのは、その猫を繁殖させたブリーダーさんから直接母猫をみせてもらい、迎える子猫のある程度の性格や特徴を直接聞くことでしょう。
(Seregraff/shutterstock)
マンチカンの子猫の価格は、10~40万円と幅があります。毛色や柄などによって価格は変わりますが、やはり短足な子のほうが人気があり値段が高くなる傾向があり、時には60万円と非常に高い値段がつくことも。子猫選びは慎重に行い、母猫などを快く見せていただけるような信頼できる優良ブリーダーから迎えるようにしましょう。