猫といえば、爪とぎのイメージがありませんか? その通り、猫と爪とぎは切っても切れない深い関係があるのです。今回は猫にとっての爪とぎをクローズアップしてみましょう。いつも叱ってばかりのあなた、要チェックですよ。
もくじ
(Jason Kolenda/shutterstock)
猫という動物は、これだけ社会に溶け込んでいても、いまだに野生を失わない生きものです。そのひとつに「狩り」に対しての本能があります。
猫は俊敏な動物で、からだ全体のバネを使って、見事に狩りをすることができます。そこで武器となるものは、いわずと知れた「鋭い爪」です。
爪とぎ、とはその大切な武器のお手入れとも言えるでしょう。
猫の爪は、いくつもの層に重なっています。下からどんどん新しい爪が生えてくるので、爪とぎをして、古い爪の層をはがします。いつも新しく、鋭い爪の状態をキープしているわけです。
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猫が爪とぎをするのは、鋭い爪をキープすることとは別に、マーキングの意味もあると言われています。
猫の肉球には特殊な匂いを出す「アポクリン腺」があります。縄張りゾーンに爪とぎをしてまわることで、自分の縄張りをアピールしているわけです。
余談ですが、愛猫の肉球の匂いを嗅いでみてください。人間にはさほど感じられないようなかすかな匂いですが、まさにその子の「香り」があることになんだかうれしくなると思います。
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猫にとって爪とぎは習性ですから、やめさせることはできません。
無理やりにやめさせたりすれば、猫にとってかなりのストレスを与えてしまうことでしょう。
とはいえ、家中いたるところで好き勝手に爪とぎをされても、困ってしまいますよね。
そんな時はやっぱり「猫が爪とぎをしてもよい環境を整える」ことが大切です。
爪とぎの問題に限らず、人間と猫が共生していくためには、ある程度の工夫が必要です。アイデアを大事にして考えていきましょう。
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では具体的に環境を整えるには、どうしたらいいでしょうか。
ずばり、とぎ心地のよい「爪とぎアイテム」を用意してあげることです。
そうすれば猫は、そこに行って爪とぎをするようになります。たまに別の場所でしたとしても、その子にとってとぎ心地がよければまた戻ってきます。
とぎ心地とは、それくらい大切なものなのです。
まずは「素材」の面から「猫のとぎ心地がよい爪とぎアイテム」を考えていきましょう。
**段ボールタイプ
比較的安価なので、気軽に使用することができます。
段ボールの感触が好きな猫は多いようで、ちょうどいい柔らかさで爪が食い込む感じが人気の秘訣かもしれません。
ただ、段ボールですので爪とぎをした後にクズがどうしても出てしまうことと、あっという間にボロボロになるということが欠点として挙げられます。
**木材タイプ
もしかしたら、この感触が好きな猫はたくさんいるかもしれません。噂ではグッと爪が食い込む感覚がたまらないのだとも。家具などで爪とぎをしてしまう子も、木材の爪とぎ器が用意してあれば喜んでくれることでしょう。
けれども、せっかくの木材タイプも猫に爪とぎとして認識してもらえない、ということがあるようです。その場合、猫が爪とぎをしている場所に立てかけて、飼い主さんが爪をとぐような仕草を見せてあげてください。これで爪とぎとして認識した、という猫もいるようです。
木材タイプは多少高価なので、じっくり選んでみてください。
**麻タイプ
こちらもポピュラーな爪とぎ器です。メリットとしてはクズが出づらく、丈夫であること。バリバリと音を立てて猫が爪とぎをしている風景は、なかなか勇壮でよいものです。
ただし、麻の匂いが嫌いな猫も意外と多く、そこは試してみないとわからない部分です。飼い主にとっては掃除が楽だし、爪とぎ跡も気にならないのでおすすめではあります。
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続いて爪とぎ器のカタチについてですが、ポールタイプやスタンディングタイプ、ソファータイプやハウスタイプ、ベッドタイプまでさまざまな種類があります。
立って使うポールタイプやスタンディングタイプは、猫の運動という面でもよい効果があります。キャットタワーなどは、先端上部に爪とぎができるようになっているものも多いです。
いわゆる置き型の爪とぎ器は、カーペットなどで爪とぎをしてしまう猫にはぴったりかもしれません。ただしこのタイプは爪とぎをしているうちに、どんどん爪とぎ器が動いてしまって安定しないので、しっかり固定してあげることが望ましいです。
さらにテーブルや椅子の脚に巻き付けて使用する爪とぎシートなども販売されていますので、愛猫に合ったアイテムをチョイスすることが大切です。