猫のあくびは甘え?それともストレス?あくびの理由を徹底解説
2019.02.20 作成

猫のあくびは甘え?それともストレス?あくびの理由を徹底解説

PNS編集部

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猫があくびをするのはなんとものどかな光景に思えます。しかし、この「あくび」はなぜするのでしょうか。「眠いから」というときもありますが、実はほかにもさまざまな理由があるのです。今回は、猫のあくびについて解説します。

もくじ

    猫のあくびはのどかでカワイイ…

    猫のあくびは甘え?それともストレス?あくびの理由を徹底解説
    (Stiglincz Gabor/shutterstock)

    愛くるしい猫が、口を大きく開けて無防備に「あくび」をしているのを見たことがある飼い主さんは多いでしょう。そもそも「あくび」とはどのようなものでしょうか。

    あくびは生理現象

    猫に限ったことではありませんが、あくびは脳に新鮮な酸素を送り込み、活性化させるための生理現象です。そのため、眠いときにあくびが出るのはとても自然なことです。あくびをすることで体を目覚めさせようとしているのです。

    目を閉じてあくびをしているときは、愛猫が「眠い」ときです。その場合には、あまりかまうことなく、眠そうなら寝かせてあげてください。目覚めたときにもよくあくびをしますが、「カワイイな」と思って観察するだけにすることをおすすめします。

     

    猫のあくびは「カーミングシグナル」

    猫のあくびは「カーミングシグナル」
    (Milla Rasila/shutterstock)

    「カーミングシグナル」の「カーミング(calming)」とは落ち着かせる、という意味です。「シグナル(signal)」は信号という意味ですから、「落ち着かせるための信号」となります。

    犬の世界では有名なこの言葉ですが、実は猫にも当てはまることがたくさんあります。

    カーミングシグナルは、「非音声的言語」として自分の立場や感情を伝えるために、動物に生まれつき備わっている能力といわれています。このシグナルのおかげで、犬も猫も無用な争いを避けられているのです。

     

    猫のあくびの種類とその意味とは?

    猫のあくびの種類とその意味とは?
    (InterStudio/shutterstock)

    「眠い」以外にも、さまざまな意味を持った猫のあくびがあります。

    1.生理現象としてのあくび

    猫も人同様、生理現象として、眠いときやリラックスしているときにあくびが出ます。あくびの後に鳴くケースも珍しくありません。猫の目が「トロ〜ン」とし始めたら、そろそろ眠いのサインです。

    あくびをしながら飼い主さんのことを見つめている場合は、「一緒に寝ようよ」と、飼い主さんのことを誘っているのかもしれません。

    また、寝起きのあくびは「まだまだ寝足りない」という心理もありますが、多くの場合は、あくびにより脳に酸素を送ろうとする生理的な現象です。

    人と同じように、猫もあくびをすることで、より多くの酸素を脳に取り込み、今日1日の活動を始める準備をするのでしょう。

    2.ストレスが原因のあくび

    叱られたことに対するストレス

    「飼い主さんが叱っているときに、猫があくびをした」という場合は、猫がストレスを感じているのかもしれません。「ちょっと、落ち着いて」という気持ちのあくびであることも多く、ほどほどにしておかないと、ますます愛猫にストレスがかかってしまいます。

    触れられることへのストレス

    初対面の人に突然触られることや、気分がのらないときに無理やり撫でられることを、繊細な猫はとても嫌います。そんなとき、「嫌だな」「やめて欲しいな」という気持ちを抱えながら、あくびをしてやり過ごそうとすることもあるようです。

    緊張や不安によるストレス

    高いところに登ろうとして失敗したり、すべって転んだりしたときもあくびをすることがあります。これは「転位行動」といって、まったく関係のない行動をとることで、気持ちを切り替えようとしているといわれています。

    ストレスを感じるような場面で猫のあくびが見られたら、叱ったり触ったりするのを止め、緊張を和らげてあげましょう。

    3.落ち着くためのあくび

    楽しそうに遊んでいたのに、急に立ち止まってあくびをするのは、猫が「興奮しすぎたから、ちょっと落ち着こう」「クールダウンしよう」としているサインだといわれています。

    さほど心配することではないため、自然現象の一種として覚えておくとよいでしょう。

    4.やる気を表すあくび

    同じ猫科の動物として代表的なライオンは、狩りを行う前に脳を覚醒させ、野生の本能を目覚めさせるためにあくびの頻度が増えるという話を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。

    オモチャで遊んでいるときやごはんの前などに、猫が不意に伸びをしながらあくびをしているようなら、「やってやるぞ!」「動きだそう」とスイッチを入れるサインかもしれません。

    猫のあくびの正常な回数は?臭いのは病気のサイン?

    猫のあくびの正常な回数は?臭いのは病気のサイン?
    (KDdesignphoto/shutterstock)

    猫はよくあくびをする生きものですが、あまりにも頻繁にあくびをすると、心配になってしまう飼い主さんもいるでしょう。しかし、あくびに直接由来する病気はないため安心してください。

    ただし、猫があくびをしたときに口が臭い場合は、歯肉炎や口内炎、口腔ガンなどが考えられます。念のためチェックしたほうがよいでしょう。

    誤飲や誤食をして、あくびが多くなることもあります。苦しそうにしていたり、嘔吐したりしたら、様子を見ながら動物病院へ行きましょう。誤飲誤食の多くは、飼い主さんが見ていないところで行われるものです。

    猫たちはあくびで何を伝えたいのか

    猫たちはあくびで何を伝えたいのか
    (Jon Osumi/shutterstock)

    あくびをカーミングシグナルとして捉えれば、いろいろなものが見えてきます。愛猫が何かを伝えてきている、それを読み取るのはとても楽しい作業となるでしょう。猫との生活が豊かになるような体験がそこにはあるはずです。

    犬にくらべて猫は、自分の気持ちを伝えるのが下手だと思いませんか。その不器用さや、孤独に生きるストイックさが魅力のひとつではありますが、共生している以上、愛猫が飼い主さんのことを好きなのは間違いありません。

    「あくび」という行為の先に、猫と飼い主さんのすてきな未来が見えてくるようです。そんなふうに考えれば、ますます猫の気持ちがわかる人間になれそうな気がしてくるでしょう。

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