犬と暮らしているみなさんは、毎日愛犬にどれくらい留守番をさせていますか?できれば留守番のない生活をおくるのが理想ですが、なかなか難しいもの。今回は犬の鳴き声に注目して、留守番中の彼らの様子を覗いてみたいと思います。きっと、1分でも早く帰宅したくなるはず。
もくじ
犬の飼い主さんは、留守番中の犬の鳴き声に注意が必要です。犬は飼い主さんがいない間、大きな遠吠えを繰り返すことがあります。特に長時間に及ぶ遠吠えや早朝・夜間の遠吠えは、近隣住民とのトラブルになりかねません。
そもそも犬はどのように遠吠えをするのでしょうか。動画投稿サイトで検索すると、さまざまな犬の遠吠えを聞くことができます。
犬の遠吠えといえば、首を高く伸ばし天を仰ぐように「ワオーン」と長く響く声で鳴くのが代表的。この動画の場合、飼い主さんが外出してから20分以上経ったあとも遠吠えを続けました。
飼い主さんにとっては切ない声ですが、近隣住民にとってはうるさく感じられるかもしれません。
この動画では、玄関で飼い主さんを見送って間もなく遠吠えを始めます。飼い主さんが戻ってくるのが待ち遠しいのか、その場からほとんど動きません。外にいる飼い主さんへ何かを訴えているようにも見えます。
犬によっては窓に向かって吠え続けるケースもあるようです。玄関や窓など、外により近い場所で遠吠えをされては、周囲へダイレクトに鳴き声が伝わりそうですね。
この動画の遠吠えは、「ワオーン」「ワンワン」「キューン」などの鳴き声を組み合わせて鳴いています。犬によって遠吠えの方法はさまざまで、とてもバリエーション豊かです。
また、鳴き声を出しながら何かを噛み切る様子も確認できます。留守番をさせている間は、遠吠えとともに犬の破壊行動にも注意しなければなりません。
留守番中の様子を知る機会がなかった飼い主さんは、ぜひ今回の動画をお手本にこっそり家を撮影してみてください。思わぬ犬の行動を発見できるかもしれません。
犬が遠吠えをする理由は、いくつか挙げられます。
犬の先祖であるオオカミは、遠吠えで仲間とコンタクトをとり、連携したといわれています。犬の遠吠えはその名残で、他の犬に対するメッセージだと考えられます。
遠吠えをする犬は、何らかのストレスを抱えている場合があります。叫ぶことで運動不足などの欲求不満をまぎらわすのです。
留守番で遠吠えをする犬は、飼い主さんのそばにいられないことや遊んでもらないことがストレスとなっているのかもしれません。慣れない環境での恐怖心や不安も犬に負荷を与え、遠吠えが始まることもあります。
分離不安症とは、飼い主さんや慣れ親しんだ環境から離れると極端に不安になり、遠吠えをはじめとする問題行動を起こす精神病です。前述したストレスのうち、留守番中にストレスを感じやすい場合は分離不安症の可能性があります。
遠吠え以外の問題行動には、家にあるモノを壊す、自分の体を傷つける、トイレで用を足さない、などがあります。症状が悪化すれば、留守番が困難になるしょう。
犬は救急車のサイレンを聞くと遠吠えしやすいという説があります。サイレンは遠吠えの周波数に近く、他の犬の遠吠えに聞こえるようです。遠吠えは犬にとってのコミュニケーションでもあることから、本能的に反応してしまうのでしょう。
認知症の犬は、徘徊したり、呼びかけに反応しなくなるなど、平常時とは異なる行動が増えます。遠吠えも認知症の症状のひとつで、特に夜間に鳴くケースが目立つようです。愛犬が高齢で、遠吠えのほかにも不可解な行動が複数見られるときは、認知症を疑ってみましょう。
「クゥーンクゥーン」または「キューンキューン」という高い声は、飼い主さんがいない不安感やさびしさを感じたときの鳴き声。遠吠えと同じく、留守番中に聞かれることが多いでしょう。飼い主さんに「ごはんが欲しい」「遊んでほしい」などと甘えたい時にもよく聞かれます。
高い声はまるで子犬時代の鳴き声のようです。幼いころ母親に甘えたように、飼い主さんへ話しかけているのかもしれません。
「ワンワン!」という鳴き声は、飼い主さんが最もよく耳にする鳴き声でしょう。知らない人やほかの動物を警戒するときや、嬉しくて興奮したとき、飼い主さんに対して何かを要求するときなど、幅広い場面で使われます。
この鳴き声の気持ちを見極めるには、犬の様子をよく観察するのがポイントです。たとえば「ワンワン!」と鳴きながらしっぽを振っているなら、楽しくて興奮しているとわかります。
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「ウーウー」といううなり声は、他の犬を威嚇する鳴き声です。自分の縄張りをアピールしていると考えられ、散歩やドッグランで他の犬を見かけたときや、多頭飼いでけんかをしているときなどによく聞かれます。
病気で体調が悪い時にも犬はうなることがあります。うなり声の頻度が多い場合は、犬の様子に変わったところはないか注意しましょう。
遠吠えをやめさせるには、遠吠えの原因を考えることが大切です。遠吠えの理由に応じて対策しましょう。遠吠えは本能的な行動でもあり、頭ごなしに叱りつけるのは逆効果。愛犬の気持ちに寄り添いながら、予防法を検討してください。
留守番で飼い主さんと離れることがストレスになっているなら、単独で過ごすことに慣れる必要があります。
飼い主さんが在宅時に別々の部屋で過ごす時間を作ったり、ケージで過ごす訓練をしたりすると飼い主さんとの距離をとる練習になります。おとなしく過ごせたら、たくさんほめてあげましょう。
トレーニングを繰り返すことで、「一度離れても飼い主さんは必ず戻り、我慢すればごほうびがある」ということを学習します。
愛犬から離れる際は、飼い主さんの匂いがついた服やおもちゃを置いておくと安心材料になります。長時間外出する際は、音声通話機能のある見守りカメラを活用するのもよいでしょう。カメラ越しに飼い主さんに話しかけてもらえば、犬は落ち着いて過ごせるかもしれません。
工夫しても状況が改善しない場合は分離不安症も疑いましょう。分離不安症は家庭での対処療法だけでなく、薬物療法も可能です。心配な場合は早めに動物病院で相談しましょう。
他の犬の鳴き声や、サイレンに反応して遠吠えをする場合は、在宅時はできるだけ外部の音を遠ざけるようにしましょう。窓やカーテンを閉めたり、テレビや音楽を流したりしておくと遠吠えを刺激する音に気づきにくくなります。
認知症は動物病院での治療が必要です。飼い主さんは認知症の進行を予防することが求められます。適度な運動や積極的なコミュニケーションを行い、体や脳に刺激を与えましょう。
夜間に遠吠えをする場合は、体内時計が昼夜逆転になっている可能性もあります。日中はしっかり体を動かし夜は休めるよう、メリハリのある生活習慣を心がけましょう。
犬たちは言葉が話せない分、鳴き声や表情で訴えてくれます。よく観察をして、どうすれば留守番中も愛犬が快適に過ごせるかを考えてみてください。
少しの工夫が、あなたとあなたの愛犬の幸せなペットライフにつながると、信じています。
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