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05. 初歩的なトレーニング

猫の場合、犬とは異なり、しつけやトレーニングはあまり必要ありません。これは犬と違って、室内飼育であれば、家族以外の人と遭遇する機会がないということもありますし、犬よりも自立した性質であり、作業欲を満たしてあげなければストレスがたまる、というようなこともないので、犬のようなトレーニングを必要としないのです。
それでも、最初にいくつか覚えておいてもらうと、その後の生活が楽になったり、お互いにストレスを感じなくてすむ事柄があります。

トイレを覚えさせる

 まず最初に覚えてほしいことは、なんといってもトイレ。ただ、猫の場合、犬のトイレトレーニングのような複雑な手間は必要ありません。子猫であれば、そろそろトイレかな、というタイミングで掘ることができる場所=トイレ砂の上においてあげれば、そこでトイレをしてくれるはずです。もし可能であれば、少しだけブリーダーさんやペットショップなどで、オシッコの匂いのついた砂を少し分けてもらって、トイレの砂に混ぜておくとより確実です。一度排泄をしてくれれば、ほとんどの場合、トイレを認識してくれるはずです。
 成猫を迎えた場合には、最初はケージで隔離しておき、ケージ内に猫用のトイレを置いておけば、そこで排泄をしてくれるはずです。

首輪に慣らす

 猫は犬のように散歩に出ることはないのですが、万が一、家の外に逃げてしまった時のために、首輪はつけておいたほうが安全です。首輪に迷子札を付けておけば、誰かに保護された時にすぐ連絡がもらえますし、首輪をしていることで、飼い猫だと認識してもらえます。ただ、首輪をしたことのない猫の場合、抵抗したり、嫌がる場合もあります。嫌がらない素材やデザインを選び、慣れるまで見守るようにしましょう。

爪切り

 猫の爪は定期的に切らないと、床や家具、そして飼い主さんの手足が傷つくことになります。ただ、猫の中には爪を切られることが苦手なコもいます。迎えた猫が子猫であれば、毎日、抱っこして、手を触ったり、握ったりすることを繰り返し、手を触られることに慣れてもらいましょう。そして爪を切る時は1本切ってみて、平気なようなら次の1本、嫌がったりするようなら一旦中断して、仕切直すというように、嫌な印象を持たれないようにして、爪切りに慣れさせましょう。

キャリーバッグに慣らす

 キャリーバッグに慣れてもらうことは、災害時や病気の時などにスムーズに移動するうえでとても重要です。ただ、猫にとって病院に行くとか、他人の気配がする場所(避難所など)へ行く、といったことはストレスなるので、それと結びつく、キャリーバッグやケージに入る、ということは嫌なことが起こるという認識になりやすいのです。できるだけ、キャリーバッグやケージに慣れさせるためにも、普段から部屋の隅にキャリーバッグを置いておき、中に入っても嫌なことが起こらないと認識させるとよいでしょう。


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