【質問】フードの選り好み、食べムラがあるんです・・・どうしたらよいですか?
【回答】
今与えているフードは、適正量ですか?
犬猫のボディコンディションスコア(BCS)と体型から、食べすぎていないか、大まかにチェックしてみましょう(下図参照)。
出典:環境省 「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/petfood_guide_1808/pdf/full.pdf
適正量を与えているにもかかわらず、フードを選り好みする場合には、食べ物への好み(嗜好)が強い場合がありますので、どういったものを好むのか、いろんな方法を試すほかありません。
嗜好性に影響する主な要因として、フードの「匂い」「味」「テクスチャ―(歯ざわり・舌ざわり、口当たり)」「温度」「タンパク質成分(牛、豚、鶏・・・)」があります。
とはいえ、まずは食事前に散歩をしたり、たくさん遊んで、できるだけお腹を空かせましょう!お腹が空いているはずなのに、フードを食べない・・・そんな時は、以下の方法を試してみてはいかがでしょうか。食が細い子への工夫もあわせてご紹介します。
*本記事での「フード」は総合栄養食のことを意味します。
*よく食べていた子が、急に食べなくなった、残すようになった、急に選り好みをするようになった、食べない以外の症状※がある場合には、体調不良で食欲が落ちている可能性がありますので、まずはかかりつけの獣医さんにご相談ください。※例:嘔吐、下痢、元気がない
①フード以外の間食や食べ物を見直す
散歩や遊びのタイミングで、おやつをあげている場合には、一度見直してみましょう。おやつは嗜好性が高いものが多いため、フードよりも好む傾向にあります。
「ほんの少しだから」と思っていても、犬猫にとっては多い場合もあります。フードを食べない、残す場合には、おやつを控えることも重要です。
また、人間の食事を分けてもらったりしていると、たとえそれが少しの量であっても、フードを食べなくなる要因となります。人間にとって薄味と思っていても、犬猫にとっては味濃く、塩分や脂肪分、糖分が多い場合がありますので、病気の予防の観点からも、人間の食べ物を与えることは好ましくありません。まずは、総合栄養食のフードをしっかり食べてもらうために、フード以外のものを与えることを見直してみましょう。
②フードの硬さ、サイズを変えてみる ⇒ 匂い、テクスチャーで刺激を!
ドライフードの場合、お湯で少しふやかしたり、温めたりすることで、風味を感じやすくなり、食欲増進につながることがあります(お湯の代わりとして、ササミのゆで汁も好む傾向あり!)。また、ウェットフードを好む場合には、ドライフードとウェットフードを混ぜて与えると、一緒に食べてくれる場合もあります。
小型犬や猫の場合には、フードの粒が大きくて食べずらいと感じていることがあります。小さく砕いてみたり、ふやかして食べやすくしてみてください。
③時間を決めて食器を下げる
ある程度時間を決めて、食べない場合には食器を下げます。食べなければ、フード以外のものが何か出てくると思って、待っている可能性もあります。食事時間を決めることで、その時間以外には食べるものはないことを学習させましょう。
また、フードは、時間とともに風味が落ちます。さらに、梅雨~夏の室内温度が上昇しやすい時期は、雑菌も繁殖しやすいため、長時間フードを置いたままにすることはやめましょう。
④食器を変えたり、玩具を使って、遊びながら与えてみる
フードを入れられる玩具を利用するのもひとつです。噛むと出てくる、転がしたら出てくるなど、遊びが加わることで食べる場合があります。特に食が細い子は、一度に食べる量が少ないため、遊びの中に食事を取り入れると良いでしょう。
また、お気に入りの場所があれば、食器を置く場所を変えてみるのもよいかもしれません。
⑤タンパク質に着目して、フードを変えてみる
犬は雑食動物ではありますが、肉食性に近く、穀類(トウモロコシや小麦)より、肉類を主体としたフードを好む傾向にあります。肉類には、牛、豚、鶏、羊、馬など複数の種類があります。一概に、どれがよいとは言えませんので、どれを好むか試してみましょう。
※新しいフードにする場合には、まずは少量から与え、食べた後に体調を崩さないか、数日間はよく観察しましょう。アレルギー体質の子は、かかりつけの獣医さんとよく相談して検討してください。
以上、今回は5つの方法をご紹介しましたが、いかがでしたか?
おうちですぐに取りかかれることもありますので、ぜひ試してみてください!