SDGs 住み続けられるまちづくりを
最近よく目にする「SDGs」。
2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」
2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。
「誰一人取り残さない」は人間だけでなく、ペットもその一員に含まれると当社は考えています。
そのうえで、『SDGs』における第11のゴール「住み続けられるまちづくりを」を重点課題と捉え、「人とペットの豊かで平和な暮らしを実現させる会社をめざし、ペット保険の普及により充実したペットライフを守りたい」とのスローガンを掲げています。
この思いを込めて、出会いからシニア期まで、人とペットの幸せな未来を作るための取り組みを推進しています。
人とペットの暮らしにおいて、日本国内では動物愛護法の制定をはじめ、SDGsが謳われる前から、『動物愛護』の精神に基づき、「動物を理解し、その命についても尊厳を守ることで人と動物が共に生きる社会」を目指す取り組みが行われてきました。
『動物愛護』に関する国や地域社会の取り組みを通して、ペットとの暮らしを見つめ直してみましょう。
ペットと共に歩む社会
ペットとして家族の一員となる犬や猫は、幸せに生きるために人の手で適切な世話が必要となる動物です。動物たちの命を守るために、私たち人にはどのような役割があり、何ができるのでしょうか?
ペットの飼育について考えましょう
誰もがペットとの幸せな暮らしに期待を膨らませ、新たな家族を迎えられます。その多くの方が、ペットが与えてくれる豊かさを日々実感し、十数年を超える時期を共に生きていくことでしょう。
しかしながら、実際にペットを飼ってみたら飼い主自身にアレルギーが判明した、環境の変化により下痢が続き飼っていける自信をなくしてしまった、高齢や病気を理由に飼えなくなってしまったなど、人間側の都合でペットを手放す方がいるのも事実です。
このように、様々な事情により飼い主を失ったり、迷子になる犬や猫は自治体等に保護されますが、動物愛護に携わる様々な方の努力を尽くしても、保護された命のすべてを救うことはできず、保護施設でその命を終える動物もまだいるのが現状です。
大切な家族であるペットの命を守るために私たちにできることは、ペットの将来に備えることでペットの生涯に寄り添うこと、身寄りがなく保護された命について新しい飼い主を見つけるための「譲渡」の活動を推進していくことです。
ペットの将来を考えましょう
新たにペットを迎えたら
自然災害などの非常時に備えてペットの避難用グッズを揃える、また、お散歩中にはぐれた時や、雷などの大きな音に驚いて逃げだしてしまった時などの万が一の事態に備えて、飼い主を特定するための「マイクロチップ」の挿入を検討してみましょう。
ペット&ファミリーのWEBサイトでも関連記事を掲載しております。ぜひご覧ください。
【獣医師監修】マイクロチップって必要?犬猫が迷子のときに役に立つ
ペットが迷子になってしまったら
迷子になった地域の保健所、動物管理センター、交番、動物病院へ連絡をする、ポスターやチラシを配る、新聞の広報、インターネットの掲示板等を利用して捜索するなど、速やかな行動が肝心です。
環境省のWEBサイトには、ペットが迷子になったときの対処方法や、保護された犬や猫の収容情報について掲載されているので、もしもの時に備えて、また、実際に迷子になってしまった際に活用してみましょう。
飼育を続けられないと悩んだら
また、やむを得ない理由で飼えなくなってしまった場合でも、飼い主には『最後まで飼い続ける責任』があることを忘れてはいけません。決して手放さず、ペットがこれからも幸せに暮らせるように最善の方法を考えることが大切です。
ペットを手放す予定がなくても、ペットの未来を守るために、万が一飼えなくなってしまったときに備えて、引き取り先を予め考えておくことも必要です。もしもの時は、ひとりで考え込まず、ご家族やご友人、お住まいの自治体やボランティア団体等にご相談するなど、大切な命を守りましょう。
動物の命を守る社会
動物を理解し、その命についても尊厳を守ることで人と動物が共に生きる社会を目指す動物愛護の取り組みが広まっています。
日本国内では、2015年に環境省において「人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクト」が立ち上がり、飼い主、事業者、ボランティア、NPO、行政等が一体となって取り組みを展開、推進していく姿勢が示されました。プロジェクトの趣旨である「保護される犬や猫の命を守る」ための社会的な取り組みについて考えてみましょう。
動物の愛護と適切な管理|環境省 (env.go.jp)
人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクト
大切な命を守る取り組み
環境省の発表では、動物愛護に携わる方々の努力により、全国の自治体等で保護される犬と猫の数は年々減少しています。また、譲渡率は2010年度に約2割程であったのに対し、2020年度は約7割となり過去最高となりました。
保護された犬や猫が新しい飼い主を見つけ、新しい家庭で幸せに暮らす。この実現には、譲渡に適した状態まで世話をする人手やスペース、飼い主と動物の性質を考慮したマッチングなどが必要となり、自治体や地域のボランティア、動物愛護に携わる方々の協力で支えています。
たとえば、しつけの専門のボランティアや、一時預かりにより新しい家庭を見つけるまで、動物に寄り添うボランティアの方々などです。
マッチングにおいては、動物の性質を伝えるために1日1日の様子をブログで紹介するなど、創意工夫もされております。
より多くの命を守る取り組み
より多くの命を救うために、保護される子猫の数を減らすことが大きな課題となっています。
環境省の発表によると、2021年度に保護された犬・猫のおよそ4割が身寄りのない幼齢の猫であり、その半数について命を救うことはできませんでした。
保護された子猫を守る、また、身寄りがなく保護される子猫を減らすための地域の取り組みをみてみましょう。
ミルクボランティア
生後2~7週目頃までは猫の社会化期と呼ばれ、人との触れ合いが大切な時期です。
同時に、離乳前のこの時期は、数時間ごとのミルクのお世話が必要となるなど、保護施設の職員だけではすべての子猫に対応できません。そこで近年「ミルクボランティア」という活動が広まっています。ボランティアに子猫を預かってもらい、自分でフードを食べられるようになるまで育ててもらう取り組みです。
社会化期※に温かいケアを受けられることで、人懐っこく譲渡されやすい猫に育つ効果があるそうです。
(参考資料)子猫の社会化|環境省 パンフレット「子犬と子猫の適正譲渡ガイド」より抜粋
※社会化期とは、その種特有の社会行動を身に着けていく発達過程で特定の時期を指します。犬は生後3週~12週目頃、猫は生後2週~7週目頃とそれぞれの種によって、その時期や社会性の育み方は異なります。社会化期には、同種の他個体との関係性の構築を学ぶ以外にも、愛玩動物(ペット)として暮らしていくために、人間や同居する他のペットとの社会関係も身につけるための大切な時期です。
地域猫活動
野良猫がかわいそうだから餌をあげたい、発情期の鳴き声やオス同士の喧嘩の騒音被害で困っているなど、人によりさまざまな意見がありますが、「ルールを作って、地域で猫を見守ろう」というのが地域猫活動の趣旨です。地域住民・行政・ボランティアの協力により、食餌、トイレ、清掃等が管理されます。
特に大切なのが、救えない命を生まないために不妊手術を実施することです。手術を受けた猫には左耳にV字のカットがあります。
人も動物も住み続けられるまちづくりを
私たちは、ペット保険を通してお客さまと 「家族の一員であるペット」との充実した生活に安心をお届けすることにより、人と社会に貢献する会社をめざします。
その取り組みの一つとして、ペットの健康を推進する記事を発信しています。
特に犬と猫におけるその種特有の病気(好発疾病など)や、避妊手術で防げる病気、異物誤飲・骨折等の飼い主の心がけで防げる怪我の予防などをテーマとして取り上げております。
ペット&ファミリーのWEBサイトに掲載している記事の一部をご紹介します。
【獣医師監修】え?!飲んじゃったの?誤飲 コロナ禍でマスクの置き場にも要注意!
高額費用の代表格-子犬の骨折- 7大発生要因と予防策を充実公開!【獣医師監修】
【獣医師監修】柴犬はアレルギー性皮膚炎になりやすい!お家でできるケアと予防のポイントとは?
また、ペットの適正飼養にかかる各種情報のご提供やアドバイス等を行うことを目的として、愛玩動物飼養管理士の資格取得を推進しています。
愛玩動物飼養管理士は、公益社団法人日本愛玩動物協会による認定資格で、「動物の愛護及び管理に関する法律」の趣旨に基づき、愛玩動物(ペット)の愛護及び適正飼養管理の普及啓発活動などを行うために必要な知識・技能を身につけます。
愛玩動物飼養管理士|公益社団法人日本愛玩動物協会 (jpc.or.jp)
本協会では、ペットを飼われている方向けに学べる機会を広く提供しております。
オンラインで受けることのできる「ペットオーナー検定」や、「学びの部屋」よりペットの適正飼養に関する定期的な情報配信を行っています。
資格取得はハードルが高いけれど、ペットを正しく飼うための知識を深めたい方は、より良いペットライフを送るためにも、最新のペット飼育に関する知識を身に着けてみてはいかがでしょうか?
ペットオーナー検定|公益社団法人日本愛玩動物協会 (petken.org)
学びの部屋 | 公益社団法人日本愛玩動物協会 (jpc.or.jp)
人もペットも取り残さない
動物愛護の取り組みとして特に馴染みがあるものは、毎年9月に実施される動物愛護週間でしょうか?
1949年の春分の日に実施された動物愛護デーを出発点とする動物愛護週間は、今では「動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護法)」で定められ、その年ごとのテーマにそって自治体や動物に関わる各種団体が協力して積極的な普及啓発行事が実施されています。
主なイベントとして、毎年開催される、動物愛護週間中央行事実行委員会による「どうぶつ愛護フェスティバル(旧名称:動物愛護ふれあいフェスティバル)」(東京・上野恩賜公園)や、各都道府県が開催する様々な動物愛護の普及イベントが行われています。
どうぶつ愛護フェスティバル (doubutsuaigo.net)
家族の一員であるペットのことはもちろん、地域猫や譲渡ペットなど私たち人間と共生するすべての動物について考える有意義な機会になりますので、みなさんのお住まいの地域の取り組みや情報について、ぜひご確認されてみてはいかがでしょうか?
動物愛護週間に限らず、日々の暮らしのなかで、一人一人が動物を思いやりながら共に生きる社会を作り上げていくことが、動物愛護の精神、そして、SDGs 誰ひとり取り残さない世界の実現に繋がります。
みなさんもご一緒に『動物愛護』に積極的に取り組んでいきましょう!
環境省WEBサイトには動物愛護に関連するパンフレットや報告書等が掲載されています。その一部をご紹介します。
- パンフレット「知っていますか?動物愛護管理法」 |環境省(env.go.jp)
- パンフレット「動物の愛護及び管理に関する法律のあらまし 令和元年改正版」 |環境省(env.go.jp)
- パンフレット「譲渡でつなごう!命のバトン」 |環境省(env.go.jp)
- パンフレット「子犬と子猫の適正譲渡ガイド」|環境省(env.go.jp)
- パンフレット「私たちがつくるペットとのこれから」|環境省(env.go.jp)
ペット&ファミリー損保SDGs推進プロジェクトチーム