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【獣医師監修】ペットにもストレスが!



コロナ禍において、おうち時間が増えたことにより、私たちとペットの生活環境が大きく変わりました。環境の変化により、ペットにもストレスがかかっている可能性があります。ペットのストレスを軽減するため、私たちが家でできることはどのようなことがあるか、お話ししていきたいと思います。

ストレスの原因・症状

ストレスとは、外部からの刺激により体や心に負荷がかかり、体に様々な影響を及ぼすものです。日々の生活の中でストレスになりうる要因は多くあり、病気に繋がることもあります。

  • 季節変化によるストレス
    季節の変わり目、突然の寒暖差→低体温、消化器疾患、皮膚疾患、熱中症
  • 環境変化によるストレス
    来客の有無、家族の在宅時間の変化、散歩の頻度、動物病院への通院頻度、ペットと遠出→消化器疾患、泌尿器疾患、皮膚疾患
  • 飼い主との関係の変化によるストレス
    ペットに構いすぎ、放置しすぎ、おやつの与えすぎ→消化器疾患、心身症、皮膚疾患

ストレスサイン

どのような行動がストレスサインなのでしょうか。

自分の毛をむしるようになった、足先を舐め続ける、尻尾を噛む、よく吠えるようになった、軟便・下痢、食糞、食欲低下、あくびをする等

自分の毛をむしるようになった、よく鳴くようになった、食欲低下、排尿回数増加・減少、血尿、排便回数減少、部屋の隅に隠れてしまう等

コロナ禍でのストレスにより増えている病気

コロナ禍で、飼い主が家にいる時間が長くなったため、ペットの普段の行動や変化に気付きやすくなり、動物病院に通院する患者が増えてきています。実際に動物病院で働いている獣医師の声を聞き、まとめてみました。

消化器疾患

  • 「下痢・嘔吐」
    家でペットに構いすぎてしまうことでペットは疲れてストレスが溜まり、その結果下痢や嘔吐、食欲不振となり調子が悪くなって来院する人が増えています。
    下痢の中で代表的なのが「ジアルジア」「トリコモナス」という寄生虫です。ブリーダーやショップ内で感染してしまうケースもありますが、ストレスなどで免疫力が低下し、発症することも多いです。

呼吸器疾患

  • 「ケンネルコフ」
    ケンネルコフというのは、伝染性気管支炎とも呼ばれ、感染力が高い呼吸器疾患になります。症状は風邪の様で、咳、鼻汁、目ヤニ、高熱、肺炎などがあります。原因は細菌、ウイルスなどの単独もしくは混合感染となりますが、これもストレスにより免疫力の低下によって発症しやすくなるといわれています。
  • 「猫伝染性鼻気管炎」
    猫風邪といわれているもので、ヘルペスウイルスの感染によって起こります。発症すると、くしゃみ・鼻汁・結膜炎・目ヤニなど主に風邪のような症状が現れます。
  • 「猫伝染性腹膜炎(FIP)」
    猫コロナウイルスに感染すると、ウイルスが体内で突然変異を起こして強い病原性をもちます。治療しても完治するのは難しく、死亡するケースがほとんどです。

※いずれも免疫力の低下により発症してしまうことが多いのでストレスをためないように心掛けましょう!

ストレス軽減に向けて飼い主が今からでもできること

・過度に構いすぎるのは控える。普段通り接するようにする。
・おやつを与えすぎないように。肥満に繋がります。
・散歩はなるべく普段通りの時間に行きましょう。
・子犬がいる家は、ケンネルコフ予防のために、温度を一定に保つ、湿度を50%以上に保つ、掃除をできるだけこまめにするようにしましょう。
・適度な運動や遊びをしましょう。
・トイレはなるべくいつもの場所から移動せず、清潔に保ちましょう。
・子犬・子猫は、幼少期の頃からいろんな体験をさせてあげて、あらゆる状況に 慣れるようにしましょう。
・発情中に異性と交尾できないことでストレスを感じることがあります。早期の避妊・去勢手術をおすすめします! 
避妊手術について 去勢手術について

コロナで生活が変わってしまったら

例えば、一緒にいる時間が増えたことにより散歩時間が以前より長くなった場合、コロナが収束したときに急にその時間が短くなってしまった場合も環境が変わってしまうことで逆にストレスがかかる子もいます。

実際には、犬種によって性格の違いもあり、飼い主と一緒にいる時間が長ければ長いほどうれしく感じる子もいますし、その反面一人の時間を好む子もいます。神経質で環境の変化に敏感な子など、犬種によってはストレスの感じ方は違うので、詳しくは動物病院に相談しましょう。

大きく環境が変化しないように、できるだけ「コロナ前」の生活に近づけるようにしましょう!

                    ペット&ファミリー損保所属獣医師


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